めまい

めまいとは

何が起こっているの?

めまいは、平衡バランスを取る身体の機能に異常があることにより発症します。
身体は眼、耳、体の触覚などの脳に送られる情報で平衡バランスを保っています。


この機能に異常が生じると平衡感覚がなくなり、目の前が回転しているような症状やふわふわと宙に浮いているようなめまい症状が発生します。

めまいの原因は?

一般的にめまいは耳の病気や自律神経の問題から起こるものが多いと言われています。その他、加齢によるもの、婦人科的なもの、脳外科的なものなどがあります。めまいというと、脳の異常からのめまいと思われる患者様が多いのですが、実際には耳鼻科的な疾患から起こることが大半です。

めまいの診断になぜ?
耳鼻咽喉科専門医が必要なのか!

【1】頭部のMRIやCT検査で異常がないからといって、めまいが今後起こらないわけではありません。
基本的には、MRIやCTの検査では耳が原因のめまいの病気を診断するのは困難です。これらの画像の検査はあくまで脳の病気がないかを見るために行われます。


【2】めまいの80%は内耳(耳の奥の方の部分)の障害によって起こると言われています。
先ほども申しましたが、めまいの原因は多岐にわたりますが、実際は耳から起こるめまいが大半を占めます。


【3】めまいの診断には眼振(がんしん)検査が必要となります。
眼球のぶれを眼振といいます。耳鼻科でのめまいの診察のときはほぼ100%この眼振をみるため検査を行います。めまいが強い時には裸眼でも確認が可能ですが、軽いめまいの場合は赤外線カメラなどを用いないとわからないこともあります。眼振の向きや性状によってめまいの原因をつきとめていきます。

耳鼻科ではどんな検査をするの

耳鼻科でできるめまいの検査

1. 聴力検査

聴力検査室という周囲の雑音が入らないようになっているボックス内で検査を行います。 ヘッドフォンから聞こえてくる音がどの程度聞こえているかを測定する「気導検査」と、骨から直接、内耳へ振動を伝えて聞こえる「骨導検査」を行います。これらにより鼓膜などに異常があり音の伝導障害が起きているのか、もしくは聴こえの神経に異常が生じているのかを判断します。
めまいの神経と聴力の神経は隣同士にあり、互いに影響しあいます。ゆえに、めまいの検査に聴力検査は必須といえます。


さらに本人が気付かないうちに病状(難聴)が進行してしまっていることもあります。
特にメニエール病の確定診断には聴力検査は必要な検査です。


聴力検査室
聴力検査室

聴力検査室内部
聴力検査室内部

聴力検査中
聴力検査中

2.ティンパノメトリー検査

聞き慣れない検査だと思いますが、鼓膜および耳小骨の動きの具合を調べる検査です。
外耳の気圧を連続的に変化させ、鼓膜の振動の状態を曲線で記録していきます。
横軸に気圧、縦軸に鼓膜の振動を表示します。検査をしているときは鼓膜に圧力がかかって耳が詰まった感じがすることがありますが、圧力をかけなくするとすぐ元にもどりますので、ご安心ください。

この検査の結果は縦軸のピークの高さや位置によって3パターン(A型、B型、C型)に分けられ、現在どの状況かを判断し、診断へと導きます。


3.平衡機能検査

めまい症状があるとき、その原因や程度などを調べるために行われます。

三半規管や視覚、深部知覚(関節や筋肉などが備えている受容器の働きで、閉眼しているときでも関節の曲がり具合や手足の位置などがわかること)などを調べて、平行機能が正常に機能しているかどうかを調べる検査です。


■ 眼振検査

めまい症状がある人は、眼球が絶え間なく動いています(眼振といいます)。
具体的には赤外線眼鏡で眼球の動きを調べます。当院ではCCDカメラ付きの検査機器を導入しておりますので、大画面モニターに眼球の動きを拡大して映し出し、詳細に観察することが可能です。


■ 重心動揺検査

重心動揺計とは、体のふらつき度合いを調べる検査です。

検査は簡単で、患者様がバランスボードに数分乗るだけで、重心の動揺を記録し、自動解析を行います。(開眼時、閉眼時で行います。)検査中は当院スタッフが横についておりますので、ふらついても倒れないようにサポートさせていただきます。この検査で、平衡障害を客観的にみることができ、さらに障害の程度の把握ができます。検査結果はグラフにより一目でわかるようになっており、病気の経過観察、治療効果の判定などに有用です。


重心動揺計
重心動揺計

重心動揺検査中
重心動揺検査中

耳の異常が原因で生じる代表的なめまい

メニエール病

メニエール病は、激しいぐるぐる回る回転性のめまいが突然起こりそれが30分から数時間程度続く、また耳鳴り、難聴などを繰り返す慢性の内耳疾患です。
疲労、心身のストレス、睡眠不足などの状態の人に起こりやすい傾向にありますが、現代医学では原因が特定されておらず、内耳の内リンパ水腫(水ぶくれ状態)が関係していると考えられています。


メニエール病には、発作期(めまいが起こる)と休止期(めまいがおさまる)があり、これを交互に繰り返し、休止期には耳鳴りや難聴もほぼなくなりますが、再び症状が悪化することも多いので、自己判断でお薬を止めることなどがないようにして下さい。


どうやって治すの?


薬による治療が主体となります。

水腫(水ぶくれ)を軽くすることが目的の利尿剤を使うことが多く、イソソルビド(イソバイド)が広く
使われます。また、内耳の神経細胞や内耳神経の活動を改善するビタミン剤や、末梢血流改善剤なども
使いますが、水ぶくれが強い場合には、ステロイド剤を追加したり、利尿効果のある漢方薬を併用したり
することもあります。


良性発作性頭位めまい症

40代から60代の女性に多くみられる、めまいを起こす病気の中で比較的よくある疾患です。難聴や耳鳴りを伴うことはありません。この病気は耳の奥にある耳石が何らかの原因で脱落し、三半規管の中に入り、身体の動きによって耳石が動いてめまい発作が起こると言われています。寝返りを打つ、横になったり起き上がったりするなど、特定の決まった頭の位置で数十秒から数分間のめまいが起こりますが、その位置(頭位)は人それぞれ異なります。また、めまいの感じ方も時期により異なり、初期にはぐるぐる回るような回転性の激しいめまいが起こり、その後はふらふらするような平衡感覚に異常を感じるめまいに移行するケースが多く見られます。


どうやって治すの?

内耳の機能を改善するための抗めまい薬や脳循環改善薬、
ビタミンB12製剤などが使用されます。

めまいに伴う吐き気などを抑える薬なども併用したりすることもあります。
また、めまいの発作がまた出るのではないかという不安が強い方には、抗不安薬などが投与される
こともあります。
耳石を元に戻す理学療法(Epley法)や、リハビリ療法なども併用します。そして、原因となる疲れに
対処し、しっかり休養をとることも必要となります。

前庭神経炎

前庭神経炎は、その名の通り、内耳の奥にある平衡感覚を保つ前庭神経の炎症により、めまいが突然起こる病気です。数日~1週間程度続く激しい回転性のめまいが急に起こり、吐き気や嘔吐、冷や汗を伴いますが、難聴や耳鳴りなどの聴覚の症状を伴わないのが特徴です。また、めまいは少しずつ軽くなっていきますが、体を動かした時のふらつきや、雲の上にのったようなふわふわした状態はしばらく続き、6ヶ月程度経過してもふらつきが持続することもあり、めまいの中では最も治るのに時間がかかる疾患の一つと言えます。

どうやって治すの?

絶対安静と抗めまい薬、循環改善薬、ビタミンB12製剤などによる治療が主体となります。
また、炭酸水素ナトリウム(メイロン)の点滴を要する場合もあります。

早期治療により一度障害を受けた前庭が回復することもありますが、前庭機能が改善しないと症状が
長期に続き、経過によってはめまいに対するリハビリテーションも必要になってくることがあります。

クリニック概要

柏市 小青田の耳鼻科

柏たなかファミリー耳鼻咽喉科

住所

〒277-0803 柏市小青田5-1-7

電話番号

04-7134-8733

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耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科、アレルギー科

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